吸引法は、ある程度の症状が残ることを理解しましょう
吸引法は、小切開により行う腋臭治療です。ダウンタイムが短く手軽であることから、多くのクリニックで行われている方法です。吸引法により腋臭治療を行ったが、臭いが残った、しばらく良かったけれど再発したということで御相談いただくことがあります。吸引法で満足する効果が得られなかった場合でも、やり直し治療によりワキガを完治させることは可能ですが、やり直し治療は、時間がかかり難易度が高くなります。
腋臭症状が強い方、腋臭を完治させたいというご希望の方は、最初から剪除法や切開法などの治療をお考えいただくようお勧めしています。誤解やトラブルを避ける意味で情報発信いたしました。
吸引法は、腋臭や多汗の元になる分泌腺が、脇の皮下脂肪層に存在することから、脇の脂肪層を吸引することでワキガを改善させることが出来るという理論に基づいた治療法です。脇に数ミリの切開を加え、その切開から治療用のカニューレを挿入し、皮下の分泌腺を吸引します。超音波を当てるなどにより治療効果が上がるよう試みているクリニックもあります。
しかし全ての分泌腺を吸引することはできませんので、多少のワキガ症状が残ることは覚悟しなければなりません。
吸引法を行う場合は、臭いや汗を完全に取ることはできないこと、再発する可能性が有ることを十分理解し、トラブルにならない様、注意してください。
吸引法の利点は、小さな切開により治療が可能なことです。またダウンタイムが短く固定処置の期間が短縮されます。少しだけ腋臭症状を改善したいという場合には、吸引法が効果的です。また料金的にも低価格であるために、お試し的に行う方もいらっしゃいます。小切開で低料金であればやってみたいという方には、適応となります。
吸引法の欠点は、臭いや多汗などの症状が完全には取れないということです。一時的によくなっても、再発するケースが認められます。症状残存や再発のために、再手術を希望される方もおられます。術後、腋臭症状が残り、こんなはずではなかったと後悔しないようにしてください。
吸引法により腋臭治療を行い効果が不満足であった場合や、再発した場合は、脇を切開して、確実にアポクリン腺やエクリン腺を除去する剪除法や切開法をすることでワキガを完治させることが出来ます。
しかし吸引法を行った後は、腋窩部の皮下に線維細胞が増生をきたすために、皮下組織は固くなりアポクリン腺やエクリン腺は取りづらくなります。一つ一つの分泌腺を、時間をかけて取り除く操作が必要になり、とても難易度の高い治療になります。